<八高つれづれ草子> 第34回
上X国語翁
【 時代の空気 大蔵校舎 】

今回は大蔵校舎の写真です。
55年前、校舎移転という稀有な歴史に揺られ、今は何一つ残らない風景。校舎を包んで背後に横たわっていた皿倉山の緑と、大蔵川の流れだけが、変わらずに今もそこに在る。「国破れて山河在り」の詩情に重なります。



白黒写真が語りかけて来ます。何も知らない私たちにも、ある雰囲気のようなものが響いてきます。
正門からの校舎正面は威風堂々、見事なこと。誰もいない中庭や廊下の静寂。図書館、教室、標本棚・・・記憶の湖の底からは、浮かんでくるものがあるでしょうか。




爆発的に乱雑な職員室は見ものですね。生徒に埋まる集会場の圧倒的な情景。放課後の部室はまた別の世界。自転車置き場。グラウンド・・・すべてが半世紀前にそこに確かにあった風景です。


良い音楽や良い写真は、その時代の空気を連れてきます。これらの写真がどんな空気を運んでくるものか、それは大蔵校舎に学んだ25期以前の先輩方にしかわかりません。
もう卒業アルバムもなくしたぞ、という先輩にはお役に立てましたか。



こんな俳句を見つけました。
葉桜や 校舎ありしと 碑が一つ (松倉ゆずる)


写真は記念碑以外、すべて昭和40年前後の卒業アルバムからの掲載です。
最後の写真だけAIに彩色を頼んだものです。
高校27期 上掛靖良

