<八高つれづれ草子> 第25回
上X国語翁
【 ジブリと八高 】

八高の図書館には、スタジオジブリにまつわる展示があります。今回はジブリと八高のお話です。


1991年9月、スタジオジブリの常務取締役、プロデューサーを務めておられた人物の八高訪問がありました。図書館で座談会のような形で、イラストアニメ同好会をはじめ漫画やアニメに関心のある生徒に向けて、お話をしてくださいました。高校6期の原徹先輩です。

原先輩は八高卒業後、早稲田に進学、東映動画に入社、『ひみつのアッコちゃん』等のテレビアニメを担当されました。1972年東映動画を退社後、アニメ制作会社トップクラフトを社長として設立、ここで東映動画時代の後輩、宮崎駿監督の『風の谷のナウシカ』をプロデュース。1985年にトップクラフトを解体する形で、スタジオジブリが設立されたとのことです。
原先輩はスタジオジブリの常務取締役に就任、プロデューサーとして『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『魔女の宅急便』などの作品制作に関わり、スタジオジブリを支え、活躍されました。


「トトロ組」写真の前列左から2番目が原先輩、4番目が宮崎監督です。これは『となりのトトロ』の劇場パンフ?からのもので、先輩による文章もこのパンフに掲載されたものです。<・・・こころといのちの在り方を問う・・・人間の体温のある作品>と宣言されています。

八高を訪問くださったのは、ジブリを退社なさった後のことです。
原先輩は、トップクラフトからジブリ時代にまつわる資料も学校に寄贈くださいました。現在、学校図書館や同窓会館などに保存展示されているものです。中にはアニメーションの原点となるスケッチコピーやセル画、台本も含まれています。八高の宝物です。

原徹先輩は2021年にお亡くなりになられたとのことです。先輩のアニメへの想い、母校後輩を思いやる暖かさは、形になってここに残っています。


2023年、国際アニメーション映画祭「TAAF東京アニメアワードフェスティバル2023」の「アニメ功労部門」において、初期の*スタジオジブリを支え、数々の名作を生み出したプロデューサーとして原徹先輩が顕彰されました。
この部門は、技術、表現だけでなく、人材育成を含む教育活動、国際交流など、広くアニメーション産業の社会的地位の向上に貢献した人に贈呈されるということで、「アニメに関心のある後輩たちのために」とわざわざ母校を訪ねてくださった原先輩の想いにみごとに重なる賞ですね。

※新聞記事は八高タイムズ平成3年12月のものです。
※トトロとコダマの写真は、10年ほど前の八高文化祭です。
※原先輩の経歴に関する記述はWikipediaなどに基づきます。
受賞関係はTAAFの記事からのものです。
高校27期 上掛靖良

