<八高つれづれ草子> 第36回
上X国語翁
【 チキンラーメンと八高 】

ふざけたタイトルで申し訳ないですが、シニア諸氏のなかには、ピンとくる方もありかと。八高クイズ。さてこの二つを繋ぐのは?
答えは高校8期、野田知佑氏です。
日本のカヤックツーリングの先駆者として国内をはじめ世界各地の川をカヌーで旅し、川・カヌー・環境問題に関する多くの著書があり、日本のアウトドア派には憧れであり、カリスマです。
野田氏は熊本の菊池川の近くで少年時代を過ごし、高校は八高。早稲田の英文学科に進学。卒業後、国内、ヨーロッパを放浪。教師、雑誌記者をへて、フリーライター、カヌーイストという経歴。



1980年代の日清のCM「♫すぐおいしー、すごく美味しー」チキンラーメン。犬をカヌーに乗せ、ゆったり川を漕いでいく自由人が野田氏。子どもたちを引き連れて川で遊び、ラーメンを食います。
若かった自分は、このCMにジワジワ感染してしまい、とうとうカヌーを手に入れ、妻と娘たちを口説いて四万十川だの錦川だのに家族で通いました。おかげで人生の一時期がタイヘン、おかしく面白く彩られました。



野田氏は八幡で過ごした高校時代のことをほとんど書いていません。わずかに『少年記』の紹介文に、「製鉄の街なんか嫌いだ。熊本の山と川へ戻りたかった」とあります。

それでも2001年11月、母校からの求めにこたえ、創立記念講演に来校くださいました。これはほんとに嬉しかった。「自然と人間の共生」をテーマに、ご自分の歩いた道や、自然と人間のありように関して、後輩たちに語ってくださいました。
晩年は徳島県美波町に住み、自ら「川ガキ養成講座」と呼ぶ川の学校を開き、校長をつとめておられた野田氏。2022年、84歳でお亡くなりになりました。
野田氏の言葉です。
「やりたいことを好きなだけやり、やりたくないことは一切やらない。・・・自分に降りかかったことは、すべて自分のせいであり、他の誰のせいでもない。つまり、ぼくは自由である」(『雲よ』文春文庫)
もう一つ、氏の言葉として知られるこちらも響きます。
「いつでも遊びに励め。人生には締め切りがあるのだ。」

※写真はネットから借用のものとYouTubeの画面を写したものがあります。
高校27期 上掛靖良

